
大内さんは、常陸太田市の花き鉢物生産農家の2代目で、シクラメン、クレマチス、カーネーション、多肉植物等を周年生産しています。販売面では市場出荷、直売の他にWebカタログでの通信販売にも取り組まれています。また、育種家としての一面を持ち、シクラメン、多肉植物等の育種に取り組まれ、常に消費者ニーズや外部環境の変化に対応した経営がされています。
分科会では、講師である大内さんから取組を紹介いただくとともに、会場の皆様からご質問やご意見をその都度、いただきながら和やかな雰囲気で行われました。
花の魅力について
「どうしてシクラメンを育てようと思ったのか」という質問には、父が40年前に色々な花を生産しており、年末に自分で売ると、たまたまマーケットの反応があった。その際、春の花であるシクラメンをお歳暮に欲しいと要望があり、年末に合わせて生産するようになった。シクラメンの文化を父が作ったと感じている。
「シクラメンなどの花々は、身近すぎる存在で、仕事にするか迷った時期もあった」そうです。大学時代に花店でアルバイトをして見方が変わった。「花を受け取ったお客さんの顔が、ぶわっと明るくなった。花にはすごい力があって、生涯をかけていいものだと思った」そうです。
商品の差別化について
花き生産者においては、商品の差別化をどうするかが大きな課題となっています。その解決策として、①直接販売によるファンの獲得。毎年2回、直売会を開催しますが、直売の案内を顧客リストをもとに発送します。長く楽しんでいただくために花もちを良くする管理方法などを教えると、例えば玄関先にお花の居場所ができ、次の消費に結びつきやすい。お花は嗜好品から必需品に変えられる。
②各種品評会へ出品し第三者から品質の高さを評価していただくことで、信用を得ています。
③育種を行い、オリジナル品種を開発し、ここにしかないをPRしているとのこと。
付加価値をつけブランド力を高めることであるとお話しいただきました。
育種について
「シクラメンは1つの品種を作るのに何年くらいの時間が必要か」との質問には、シクラメンは交配して種を取り、種をまいて花が咲くまでには1年以上かかる。変わった花が開花するまで5~10年しないと変わったものも出てこない。育種では、生まれてくる多種多様な個体から選抜します。自分が良いと思い、残すものもあるが、直売で、お客さんが見て買ってくれる傾向を見て、消費者の好みが段々わかってくるので、お客さんが欲しがるものを育種している。
販路多角化について
以前は市場出荷のみでした。市場出荷では出荷すれば、すべて販売できますが、セリでは価格は相手任せで高いときもあれば安いときもあり不安定でした。そのため最近は市場出荷では予約相対取引の割合を高めています。
直売、ネット販売ではこちらで設定した価格で販売でき、販売も安定しますが、一品一品を最終消費者がきれいと思える状態で届けることが重要で、クレーム対応も個別対応が必要になります。
年によって売れ行きも変わるため、ネット販売だけに頼らず、直売と市場出荷でバランスよく売る必要がある。
地域への貢献、普及活動について
地域への貢献として、小さい頃から楽しいと思える体験をしてもらえるよう、積極的にかかわっている。道の駅の花壇への植栽や幼稚園児花育体験、小学生社会科見学、中学生職業体験、大学生フィールドワーク等でお花を通じて楽しいと思える体験をしてもらい、人の気持ちを育む活動を行っている。
花を扱うということは人の気持ちを育むことだと感じている。
最後に一言
仕事を始めていろいろ一通りのことを経験してきましたが、どうせやる仕事であれば、何か楽しみを見つけて、面白くやっていただければと思います。
